Trattoria L'Aquila d'Oroの想い
高校卒業後、料理の道をまっすぐに歩んできた私の弟。
幼い頃から私たちはとても仲が良く、弟はいつも明るく、周囲を笑顔にする存在でした。
私にとって弟は、かけがえのない太陽のような人でした。
2021年1月
弟は地元・湘南に、念願のイタリアンレストランをオープン。
コロナ禍という厳しい状況の中での挑戦でしたが、
弟の料理のおいしさと誠実な人柄は少しずつ広まり、
やがて行列のできる人気店へと成長していきました。
これからのお店が本当に楽しみだった矢先、
ずっと元気だった弟が、予期せぬ体調の急変により、この世を去りました。
あまりに突然の出来事に、現実を受け止めることができませんでした。
最愛の弟を失った悲しみは、今も言葉では言い尽くせません。
それでも、心の奥に残り続けた想いがありました。
「弟がこの世に唯一残した、このお店をなくしたくない。」
飲食業の勤務経験もなく、自信もありませんでした。
当然周囲からは
「うまくいくわけがないから諦めたほうがいい」
「素人にできるはずがない」
と厳しい言葉を向けられ、何度も心が折れました。
その答えに辿り着くまでには、数カ月の時間がかかりました。
決して簡単な気持ちからではありません。
私にとってその選択は、人生が大きく変わるほどの決断でした。
守るべきものもあり、迷いも葛藤もありました。
それでも最後に私を動かしたのは、
「弟がどれほど大切な存在だったか」という、その想いただひとつでした。
2022年8月
弟の想いを胸に、7カ月ぶりに姉ひとりで再オープンしました。
不安と緊張の中での再出発でしたが、
多くのお客様や友人に支えられながら、少しずつ前へ進むことができました。
2023年6月には、その経緯が 日本テレビ系列 news every. にて放送されました。
そして...2024年2月
都内有名店で経験を積み、ソムリエ資格を持つシェフを迎え、
料理とワインをより深く楽しんでいただけるお店へと、新たな一歩を踏み出しました。
あの日突然止まってしまった時間を、この小さなお店で今もつなぎ続けています。
私と弟、そして新しいシェフの想いが詰まったこの場所で、
皆さまにとって、心地よい時間を過ごしていただける場所になれましたら幸いです。
皆さまのご来店を、心よりお待ちしております。